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肝臓・消化器専門のクリニック紹介
肝臓・消化器専門医 中村東樹
肝機能の異常を指摘された時
各種健康診断、肝炎ウイルス検査実施
a型肝炎、b型肝炎、インフルエンザ、ワクチン接種
当院は電子カルテを導入し、検査結果をグラフ化
肝臓や消化器に関する専門用語の解説
肝炎など肝臓・消化器に関するコラム
地下鉄赤坂駅より徒歩3分
肝臓・消化器専門 なかむら内科クリニック
コラム
   
 【C型慢性肝炎の最新治療〜当院で行った8例の治療成績を含めて〜】

 1990年前後に、C型肝炎ウイルスを血液中から検出することが可能となった。このころまで輸血後肝炎とか非A非B型肝炎といって、わが国で猛威をふるったC型肝炎であるが、絶対的な治療法が確立されていなかった。多くの患者さんが慢性肝炎から、肝硬変、肝細胞癌へと進展していくのを、医者の立場からするとただ経過観察していくしかすべがないのが実情であった。この疾患に対する最近の治療法では、3〜6ヶ月の内服治療でほとんどの人でC型肝炎ウイルスが消失し、同時に肝機能が正常化するようになった。このことをこのコラムでぜひ理解していただきたい。
 
 昨年まで施行されたインターフェロンおよび3剤併用療法で最終的には80%近くの人が治癒するまでにはなった。しかしこのインターフェロンという薬剤は、副作用が強いことでも知られており、”副作用のデパート”といわれるくらい数多くの副作用を示してきた。それほど強い副作用に耐えて治療を受けても、結果として無効となることもしばしばであった。

 2014年9月から導入された経口剤(ダクラタスビル塩酸塩錠およびアスナプレビルカプセル併用)によるC型肝炎の内服治療は、別名インターフェロンフリー治療といわれ、それまでの考え方を一変する画期的な治療法であった。その理由は、(1)ほとんど副作用がない、(2)治癒率が90%以上と高率、であるからだった。問題点は、6ヶ月の治療にかかる費用が総額300万円以上と高価であることであった。しかし肝炎治療に関しては、現在も国の肝炎治療助成金制度が有効で、個人負担額は収入に応じて月額1〜2万円の支払いで済むようになっている。

 当院では現在までに8人の患者にこの内服薬治療を行った。治療終了した人が6人、治療中の人が2人である。。肝機能は全員が正常化し、C型肝炎ウイルスは全員が治療開始1ヶ月で陰性化した。終了した5人に関しては、終了後3ヶ月で全員がウイルス陰性であることから治癒と判定される。



 
 図は70歳の男性である。20年以上前から慢性肝炎の治療中であったが、最近は血小板数が5〜10万/μlと減少しおり、肝機能のAST>ALT となっていることから、代償性肝硬変と考えられる状態であった。ALTは40~60を推移していたが、治療前には116まで増加して急性増悪の状態であった。治療を開始すると肝機能は速やかに正常化し、1ヶ月後にはC型肝炎ウイルスが血液中から検出されなくなった。現在治療終了後6カ月を経過したが、その後肝機能は悪化することなく、正常範囲を推移しており、ウイルスも検出されない状態が続いている。ウイルス学的には治癒の状態である。治療中ほとんど副作用はみられなかった。現在は体調がよく、以前と比べると体がずっと軽くなったように感じられると喜んでおられる。



 治療をおこなった8人のデータを表に示した。治療前の肝機能でALTは、67.0±40.9であったが、治療後は、15.0±3.3 と全員正常範囲内となっている。C型肝炎ウイルスは、治療後1ヶ月から検出されなくなり、終了時までずっと同じ状態が続いている。ただ血小板数に関してはほとんど変化がないことから、こちらは回復するのに時間がかかるということであろう。現在のところウイルス学的には5名が治癒、あとの3人も治癒となる可能性が非常に高いようである。
 以上の治療はC型肝炎の1型に対して有効であったが、本年7月からは2型に対して有効な治療法も実施されることになった。こちらはソホスビル錠およびリバビリンを12週間併用することにより90%以上の治癒が期待されている。
 さらに本年9月以降には、1型で治療期間が3か月(12週)とさらに短縮され、治験段階の治癒率100%という新しい内服薬が発売されるようである。
 以前はインターフェロン療法を受けたが、治癒に至らなかった患者だけに適応されるという決まりがあったが、本年4月からは治療歴に全く関係なくこの治療を受けられるようになった。
 以上のようにC型肝炎はほぼ完全に治癒可能な疾患となった。肝硬変、肝細胞癌で倒れてきた多くの患者さんのことを思い出すとつらいものがある。医学の進歩の恩恵がすべての患者さんに行きわたることを願ってやまない。




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