福岡市中央区舞鶴の一般内科、肝臓・消化器の専門クリニック

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コラム(肝臓は排泄器官?)
 「肝臓は、人体のなかで重要な排泄器官である」というと、ほとんどの人はその言っている意味がよく理解できないのではないかと思います。教科書的な解説では、「肝臓は、生体に必要な多くのものを合成する化学工場のような役割の臓器」ということになっています。生きていくうえで必要なアミノ酸、タンパク質、脂肪、ぶどう糖などの合成を肝臓は一手に引き受けています。文字どおり肝腎かなめの役割を果たしています。ただこういう解説では肝臓の大事な役割の半分しか述べていないことになります。

 生体に不要となったもののうち、水に溶けるもの(水溶性)は腎臓から尿として排泄され、水に溶けないもの(不溶性)は肝臓で「抱合」という処理を経てから、胆管、胆のうを経由して、胆汁として十二指腸に排泄されていきます。肝臓の優れたところは、いろいろなものを作りっぱなしにしてあとは知らんふりしているのではないというところです。老朽化したもの、不要になったもの、人体に有害となったものなど、いわば産業廃棄物の処理を一手に引き受けているのです。これらの産業廃棄物は、十二指腸に排泄された後に腸管循環という形で再利用されて、本当に不要となったものだけが大便という形で大腸から排泄されます。さらに言えば大便も大地に返すと、窒素化合物という大事な肥料としてまた再利用される仕組みになっています。

 大昔に栄えた恐竜、現代に見られる象、鯨など超大型の脊椎動物の出現は、進化によって肝臓という臓器を獲得できた事によって可能になったと私は考えています。もちろん心臓、肺、脳神経、腎、その他の臓器の役割を過小評価するものではないのですが、合成と排泄の両方を担う肝臓がなければ決して存在することはなかったと断言できるでしょう。

 赤血球は、血液1 立方ミリ中に400〜500万個存在します。全身には約4リットルの血液が流れていますから、約20億個の赤血球が酸素を供給するために全身を駆け巡っていることになります。赤血球の寿命は約120日と短く、骨髄で次から次に新しくつくられています。不要になった古い赤血球は脾臓などの網内系という組織にとりこまれて順次破壊されていきます。赤血球にはヘモグロビン(血色素)が存在し、これが血の色を赤く見せています。ヘモグロビンは鉄を含むヘムとグロビンに分解され、さらにヘムは鉄を失った後にビリルビンへと変化して肝臓で処理されます。この処理の仕組みの中に、「抱合」という重要な過程があり、ビリルビンが処理されます。肝臓で抱合される(グルクロン酸抱合)前のものを間接型ビリルビン、抱合後のものを直接型ビリルビンといいます。進行した肝硬変では,ビリルビンの抱合処理能力が低下して間接型ビリルビンが血液中に増加します。また抱合後に胆道系からの排泄機能がなんらかの原因で障害された場合は直接型ビリルビンが血液中に増加してきます。正常では血液中にごくわずかしか存在しないビリルビンが、いろいろな原因で血液中に増加すると皮膚や眼球結膜が黄色になり、それを黄疸といいます。肝臓の病気で黄疸がみられるのは、なんらかの障害によりビリルビンの処理ができなくなって血液中に増加してくるためで、この原因を明らかにすることが治療上もっとも大事なこととなります。

 肝臓が生体で重要な排泄器官であるということは、実は医者でもあまり意識されていません。しかし肝臓病が進行して重症になるのは、よく知られている合成能力の低下よりも、排泄能力の低下に起因することが多いのです。「人工肝臓」を作ろうと多くの研究者が努力していますが、なかなか実用化できないのは今述べた二つの機能(合成と排泄)を同時に果たすことが困難だからです。

 この小文を読んでいただいた方には、肝臓が重要な排泄器官であることをある程度理解していただけたのではないかと思います。



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