福岡市中央区舞鶴の一般内科、肝臓・消化器の専門クリニック

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肝臓・消化器専門のクリニック紹介
肝臓・消化器専門医 中村東樹
肝機能の異常を指摘された時
各種健康診断、肝炎ウイルス検査実施
a型肝炎、b型肝炎、インフルエンザ、ワクチン接種
当院は電子カルテを導入し、検査結果をグラフ化
肝臓や消化器に関する専門用語の解説
肝炎など肝臓・消化器に関するコラム
地下鉄赤坂駅より徒歩3分
肝臓・消化器専門 なかむら内科クリニック
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最近は職場や市町村地域での予防医療、生活習慣病対策などの活動がさかんであるために、年に一度も肝機能検査を受けたことがないという人は非常に少なくなってきています。ただし検査をして肝機能の異常を指摘されたとしても、自覚症状がないためにそれ以上の検査をうけていないケースをしばしば経験します。また精密検査を受けたにもかかわらず、適切な診断がなされなかったばかりにそういう人に必要な治療がされなかったケースもみられます。
 そこでなんらかの肝機能の異常を指摘された時に、どういう検査をすれば原因があきらかになるのか簡単に示してみましたので参考にしてください。


肝機能検査にもいろいろな種類があると述べましたが、どのようなものであれいずれかの肝機能異常があればまずHBs抗原とHCV抗体を測定することが大事です。ウイルスが原因の肝疾患か、非ウイルス性の肝疾患であるかを調べるのがまず検索の第1歩です。わが国の慢性肝疾患の7割がウイルス性肝疾患ですから、肝機能障害がみられたらまずこの疾患の有無を確認しておく必要があります。

 B型肝炎(HBs抗原陽性)やC型肝炎(HCV抗体陽性)による肝機能障害であることがはっきりすれば、専門医を受診してさらに詳しい検査、治療を受けることをお勧めします。これらウイルス性慢性肝疾患は、放置すれば徐々に進行して肝硬変、肝細胞癌となることもあります。一方最近の医学の進歩により、これらの疾患にかかっていても治癒する人が多数でてきおり、早期の発見が重要であることはいうまでもありません。

 HBs抗原とHCV抗体がともに陰性で、B型、C型肝炎ウイルスが肝機能障害の原因でないことがあきらかになった場合は、その他の検査が必要になってきます。

 アルコールを大量摂取(日本酒換算3合を10年以上)し、γGTPが高値であればアルコール性肝臓病の疑いが強くなります。アルコール性肝臓病は、その組織学的所見から、アルコール性の脂肪肝、肝線維症、慢性肝炎、肝硬変そしてアルコール性肝炎などに分類されます。アルコール性肝炎は、巷でよく言われるよりもより重症な病態をさしており、長期の入院治療が必要な場合もあります。

 肥満(BMI>25)があり、超音波検査で肝臓が高輝度に描出される場合は栄養性の脂肪肝が疑われます。食事療法、運動療法を行うことによって、ダイエットを真剣に行い、体重がある程度減少してから肝機能が改善すればほぼ間違いなくこの疾患と言えます。この場合、肝臓が悪いからといって、安静や高タンパク、高カロリーの食事療法をしてはいけません。肝機能が逆に悪化してしまうこともありえます。

 ALPやγGTPの上昇が著しく、AST、ALTがあまり高くない肝機能障害の場合は、自己免疫性肝障害の一つである原発性胆汁性肝硬変という疾患が疑われます。この場合、中年の女性に発症が多い。血清学検査で抗ミトコンドリア抗体が陽性のときはほぼこの疾患であると確定できます。最近はこの疾患も初期に発見されることが多くなり、ほとんど症状がない「無症候性(asymptomatic)」の場合が多く、進行すると黄疸や皮膚掻痒感が著明となり「症候性(symptomatic)」となります。難治性であり厚生労働省より難病指定をされています。

 自己免疫性肝障害のなかでもうひとつ重要な疾患が、自己免疫性肝炎です。この疾患も女性に多いが、年齢はかなり若い人にもみられます。これは慢性肝炎によく似た臨床経過をたどりますが、肝臓の炎症所見が非常に強く、AST,ALT,γGTPが高値です。γグロブリンという検査値が高いことが特徴で、さらに抗核抗体、抗平滑筋抗体という自己抗体が陽性であればこの疾患の可能性が高くなります。副腎皮質ホルモンが特効薬なので診断がついて治療を開始すれば劇的に改善します。


 肝機能障害で意外に多いのが、薬剤による肝機能障害です。薬の添付文書をみると、ビタミン剤などごく少数の薬以外には、その副作用欄に必ず肝機能障害と書かれています。 それらしい原因が見つからないときは、薬による肝障害を必ず考えておかないといけません。風邪薬を2,3日飲んだだけでも肝機能障害は起ることがあります。

 胆道系の異常の有無は必ず調べておかなければなりません。胆汁の流れが悪くなることによって、肝機能障害がみられます。

 この場合は超音波検査が最も有効な検査手段となります。とくにγGTPやALPが高い場合は絶対必要な検査です。超音波検査は、肝機能が悪ければ必ず1度は実施する検査ですが、胆道系の異常の検索には非常に有効です。

 以上のいずれにもあてはまる疾患がなく、家族にも同じような肝臓病の人がいる場合は遺伝性の肝臓病を考える必要があります。わが国では、ウイルソン病、肝性ポルフィリン症、ヘモクロマトーシスなどいくつかの疾患が知られています。これらの疾患は肝機能障害以外に神経、皮膚、眼、などいろいろな器官に障害がみられることが特徴です。

 肝機能にあまり異常がないのに、黄疸が見られる場合があります。これは家族性高ビリルビン血症という生まれつきの疾患が考えられます。直接ビリルビン、間接ビリルビンを測定することによってあきらかになります。

 特殊な遺伝性肝疾患のなかにはほとんど臨床症状もなく、放置してよいものから、早急に肝臓移植を必要とするものまでいろいろの疾患がありますので、専門医による診察が必要です。

 AST(GOT)、ALT(GPT)が高いからといって肝臓には異常のないこともあります。激しい労働、運動をした翌日などに採血するとこれらの検査値が非常に高くなることがあります。骨格筋の細胞にも多く含まれるAST、ALTが、筋肉の細胞損傷に伴って血液の中に逸脱すると上昇してきます。このときはCKという検査を同時にするとよく、CKは筋肉の細胞に多く含まれていますが、肝細胞にはあまり含まれていません。したがって、AST,ALTとともにCKが増加しているときは筋肉の損傷や消耗も考えておく必要があります。


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